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顎変形症に起因する開咬 ~インターディシプリナリー治療にて外科的矯正治療を行なった症例~

 17歳女性の患者さんです。開咬を主訴に一般歯科からのご紹介で来院されました。上下顎骨の垂直的な位置不正(顎変形症)が原因となった開咬症で外科的矯正治療の適応症です。当院から口腔外科を紹介し、口腔外科においても顎変形症との診断を受けました。口腔外科とのインターディシプリナリー治療(専門医連携治療)にて外科的矯正治療を行なった症例です。

矯正前

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Before Ⅰ
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Before Ⅱ
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Before Ⅲ
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Before Ⅳ

 上顎歯列に叢生(ガタガタの歯並び)を認め、下顎左側第2小臼歯の先天欠如を認めました。広範囲で重症性の高い開咬(部分的に上下の歯の接触が妨げられている状態)となっています。上下顎歯列において合計8本の奥歯しか咬み合っておらず著しい咀嚼障害を認め、発音障害もありました。
 精密検査の結果、顎変形症にて外科的矯正治療の適応症と診断しました。外科的矯正治療においては、顎変形症の術前・術後の矯正治療ならびに口腔外科での顎離断手術に対して口腔外科と矯正専門医の連携による治療(インターディシプリナリー治療)が必要不可欠です。

 Before Ⅳの写真は下顎骨移動手術のイメージです。

矯正後

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After Ⅰ
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After Ⅱ
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After Ⅲ
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After Ⅳ

 マルチブラケット装置を使用し、上顎左右第1小臼歯の便宜抜歯にて術前矯正治療を行いました。術前矯正治療終了後に口腔外科にて顎離断手術(下顎骨後方移動手術:左右側ともSSRO)を行なっていただきました。顎離断手術後は、口腔外科との連携をとりながら、後戻りを防ぐ顎間固定のための顎間エラスティックスなどを用いての術後矯正治療を行いました。
 その結果、上下顎の歯列はともにキレイに整いました。全ての歯が正常に咬み合う機能的な咬合となりました。咀嚼障害、発音障害はともに改善されました。 

 After Ⅳの写真は下顎骨移動手術のイメージです。

動的処置期間  術前治療期間 : 1y11m、術後矯正治療期間:11m

 ~費用について~   
 顎変形症に起因する不正咬合の治療(術前・術後の矯正治療ならびに顎骨の移動手術)は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合した「顎口腔機能診断施設」の認可・指定を受けている医療機関でのみ保険診療を受けることができます。
 術前・術後の矯正にかかる費用負担は治療期間によって異なりますが、3割負担の場合20〜30万円です。

 当院は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合した「顎口腔機能診断施設」の認可・指定を受けている医療機関です。

 矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。
・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット(装置)が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。(通常数日で治ります)
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。

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