歯肉退縮が認められる叢生をともなう成人の開咬症例。

　精密検査に基づく診断の結果、上下顎第1小臼歯を便宜抜歯して矯正治療を行いました。
　開咬の改善のために、原因排除として舌癖のコントロール(MFT)を行いました。また患者さん自身で付け外しのできるエラスティックス装着を行なっていただきました。

　その結果、上下顎の歯並びはキレイに整いました。前歯部の開咬は改善され、正常で機能的な前歯部の咬み合わせとなりました。咀嚼障害・発音障害も改善されました。歯肉退縮については、歯周病専門医のもとで、今後歯肉移植等の処置が望ましいと考えます。

After Ⅳの写真はUp & Doun エラスティックスのイメージです。

　動的治療期間 : 3年4ヵ月

　治療費用：約90万円

　矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット（装置）が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。（通常数日で治ります）
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。