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歯肉退縮をともなう成人の叢生症例。
- 20代
- ガタガタの歯並び(叢生)
23歳男性の患者さんです。上下顎歯列に重度の叢生(ガタガタの歯並び)を認める症例を、IPR(エナメルストリッピング)を行い、小臼歯を抜かずに(非抜歯)矯正治療を行いました。
矯正前
Before Ⅰ
Before Ⅱ
Before Ⅲ
Before Ⅳ
上顎歯列に叢生(ガタガタの歯並び)を認めます。下顎歯列には重度の叢生を認めます。また、犬歯や下顎前歯の切端に咬耗(すり減り)が認められました。上下の歯をぐっと噛みしめる癖(クレンチング)や歯ぎしりがあり、それが原因となって歯肉退縮が全体的に認められました。
セファロ分析・ボルトン分析(上下顎の個々の歯のサイズの調和に関しての検査))の診断結果に基づいて、数ヶ所の歯のIPR(エナメルストリッピング)を行うことで、前歯の前突を引き起こすことなく叢生を改善していきました。
矯正後
After Ⅰ
After Ⅱ
After Ⅲ
After Ⅳ
下顎歯列においては、重度の叢生が認められましたが、狭窄した下顎歯列弓を側方に拡大することで、小臼歯非抜歯にて前歯の前突を引き起こすことなく改善することができました。その結果、上下顎歯列はともにきれいな歯並びとなり、全ての歯が正常に咬み合う機能的なものとなりました。
元々咬む力が強くクレンチングもある患者さんだった為、ブラケットを装着した始めの頃はブラケットが外れるトラブルが頻繁にありました。
歯ぎしりやくいしばり(クレンチング)があると、矯正治療終了後の良い歯並びと咬み合わせの長期安定性を得ることができません。そういった患者さんの場合は、矯正治療終了後は、一般歯科で処方していただける歯ぎしり防止装置(ナイトガード)の使用が望ましいです。
動的治療期間 : 3年1ヵ月
治療費用:約90万円
矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。
・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット(装置)が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。(通常数日で治ります)
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。