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リンガルブラケットを用いて治療を行なった叢生症例。
- 20代
- ガタガタの歯並び(叢生)
- 裏からの矯正
25歳女性の患者さんです。上下顎歯列に叢生を認め、下顎の左側第1小臼歯を便宜抜歯して、リンガルブラケット(歯の裏側に装置を取り付けて治療を行う “見えにくい矯正治療” )を用いて矯正治療を行いました。
矯正前
Before Ⅰ
Before Ⅱ
Before Ⅲ
Before Ⅳ
上下顎前歯部ともに叢生(ガタガタの歯並び)を認めます。上顎側切歯は左右側ともに舌側に転移しており反対咬合となっていました。
叢生は永久歯の歯の大きさと基底骨である顎骨の大きさとの不調和(Discrepancy)が原因で起こります。
診断の結果、叢生の改善と下顎前歯の後方移動を行い部分的な反対咬合の改善を行うために、下顎の左側第1小臼歯便宜抜歯にて矯正治療を行いました。矯正装置は患者さんの希望によりリンガルブラケットを使用しました。
Before Ⅳの写真は治療途中の上顎歯列のものです。
矯正後
After Ⅰ
After Ⅱ
After Ⅲ
After Ⅳ
下顎歯列においては、左側第1小臼歯便宜抜歯に加えて、治療上の工夫としてIPR(エナメルストリッピング)~歯の側面を0.25mmから0.3mm削る処置~を数カ所において行いました。
その結果、上下顎の歯列はともに整ったきれいな歯並びとなりました。左右の側切歯部の反対咬合も改善され正常で機能的な咬み合わせとなりました。
After Ⅳの写真は治療途中の下顎歯列のものです。
動的治療期間 : 1年11ヵ月
治療費用:約130万円
矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。
・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット(装置)が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。(通常数日で治ります)
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。