成長期の骨格性反対咬合症例。
- 6～8歳
- 受け口(反対咬合)
- ガタガタの歯並び(叢生)
- 表からの矯正
混合歯列期で8歳の女児の患者さんです。前歯部の反対咬合と叢生を主訴に、一般歯科からのご紹介で来院されました。早期矯正治療を開始できたことにより小臼歯非抜歯にて治療を終了できました。
骨格性反対咬合は成長発育が進むにつれて反対咬合の範囲と度合いが悪化するのが特長ですので、早期に矯正治療を開始することが重要です。
矯正前
Before Ⅰ
Before Ⅱ
Before Ⅲ
Before Ⅳ
前歯部の反対咬合(受け口)と上顎歯列に叢生（ガタガタの歯並び）が認められます。側貌において、上顎骨の劣成長により上唇が下唇に対して後退した感じになっています。（Bedore Ⅱの写真）
骨格性反対咬合の矯正治療では、成長期において早期に前歯部の反対咬合を改善することにより、その後の上顎骨の成長を妨げられないようにすることが非常に重要です。また反対咬合に多くみられる上顎歯列の叢生（ガタガタの歯並び）に対してスペース不足の軽減治療を行うことで非抜歯にて治療を行うことが可能になってきます。
矯正後
After Ⅰ
After Ⅱ
After Ⅲ
After Ⅳ
Expansion plate(着脱式のプレートタイプの装置)を使用し上顎歯列の側方拡大を行なって上顎歯列のスペース不足の軽減治療を行いました。またActive plate(着脱式のプレートタイプの装置)にて上顎前歯部の前方移動による反対咬合の改善を行いました。
その後、マルチブラケット装置に移行し、上顎骨に対する成長コントロール治療として、上顎骨の成長促進治療のためのフェイシャルマスク(フェイシャルマスクは在宅時間のみ使用していただく、患者さん自身で付け外しのできる顎外装置です。) を使用しました。
成長発育期を利用して矯正治療を早期に開始したことで、非抜歯にて反対咬合・叢生・正中線のズレなど全てが改善されました。
側貌においても、上下の口唇のバランスも整いよりきれいなお口元となりました。（After Ⅱの写真）
動的治療期間 : 8年2ヵ月
治療費用：約100万円
矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。
・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット（装置）が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。（通常数日で治ります）
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。
