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リンガルブラケットを用いて治療を行った重度の上顎前突症例。

  • 20代
  • 出っ歯(上顎前突)
  • ガタガタの歯並び(叢生)
  • 裏からの矯正

 27歳女性の患者さんです。上顎前突(出っ歯)と叢生(ガタガタの歯並び)を主訴に一般歯科からのご紹介で来院されました。上顎の第1小臼歯の便宜抜歯を行い、リンガルブラケット(歯の裏側に装置を取り付ける:見えにくい矯正)を使用して矯正治療を行いました。

矯正前

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Before Ⅰ
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Before Ⅱ
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Before Ⅲ
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Before Ⅳ

 上下顎前歯部に叢生(ガタガタの歯並び)を認めます。上顎前歯の突出により上下顎の前歯部は全く咬み合っておらず、咀嚼障害を認めます。
 診断の結果、叢生の改善と上顎前歯のリトラクション(後方移動)のために、上顎の第1小臼歯を便宜抜歯してリンガルブラケットを使用して矯正治療を行いました。
 
 Before Ⅳの写真は、治療中の上顎歯列(上顎第1小臼歯を抜歯して口蓋側にミニスクリューを植立している)です。

矯正後

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After Ⅰ
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After Ⅱ
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After Ⅲ
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After Ⅳ

 本症例は重度の骨格性上顎前突症でOver jet(上顎前突の度合い)が約12mmあるシビアなケースです。リンガルブラケット(歯の裏側に装置を取り付ける:見えにくい矯正)を使用し、上顎の第1小臼歯の抜歯スペース(7.5mm)を最大限に利用して前歯の後方移動を行う必要があります。
 通常の治療方法ではこのような大きなOver jet を改善することは困難です。このためミニスクリュー(矯正用インプラントアンカー)を上顎大臼歯部口蓋側に埋入させ、これを絶対的固定源として利用して上顎前歯の後方移動を行いました。
  
 治療結果として、歯列は整直され上下顎歯列ともにキレイな歯並びとなりました。ミニスクリューの使用により前歯の最大限のリトラクション(後方移動)が達成され、適切なOver jet(上顎前突の度合い)となり全てのエリアにおいて正常で機能的な咬み合わせとなりました。審美的には側貌におけるリップラインが後退し、より美しいお口元となりました。

 After Ⅳは治療中の下顎歯列の写真です。

 動的治療期間 : 2年4ヵ月

 治療費用:約130万円

 矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット(装置)が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。(通常数日で治ります)
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。

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