成長期の反対咬合症例。

　上顎にActive plate（患者さん自身で取り外しのできる装置）を用いて上顎前歯部の前方移動と左側犬歯部のスペースの拡大を行いました。その後、マルチブラケット装置を用いて引き続き上顎左側犬歯のスペース確保を行い、非抜歯にて上顎歯列の整直を行いました。
　前歯部反対咬合については上顎前歯の前方移動と咬合平面の変化により改善を行いました。早期に前歯部の反対咬合の改善を行ったことにより、その後の成長発育期間において良好な上顎骨の成長が起こったことも反対咬合の治療の成功につながりました。

　治療結果として、上下顎歯列ともに整ったキレイな歯並びとなり、反対咬合は改善され正常で機能的な咬み合わせが得られました。審美的には反対咬合に特有な下口唇の突出感も改善されて、バランスの良いお口元となりました。

　動的治療期間 : 3年8ヵ月

　治療費用：約100万円

　矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット（装置）が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。（通常数日で治ります）
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。