両側臼歯部に交叉咬合（すれ違い咬合）を有する過蓋咬合症例 。

　叢生（ガタガタの歯並び）については、マルチブラケット装置を使用し、上顎左右第１小臼歯2本の便宜抜歯スペースを利用して上顎歯列の整直（叢生）と前歯部の後方移動を行いました。
　下顎にはExpansion plate（患者さんがご自身で取り外しのできる装置）を使用し下顎歯列の側方拡大を行い、下顎前歯部のスペース不足の解消を行うことで非抜歯にて叢生の改善を行いました。
　舌側面形態異常の上顎左側側切歯においては、一般歯科にて抜髄処置を行っていただき、内側面の形態修正を行っていただくことで前歯部の良い咬み合せ確立しました。
　矯正治療の結果、上下顎歯列の歯並びはキレイに整いました。両側臼歯部の交叉咬合と前歯部の過蓋咬合はともに改善されて、正常で機能的な咬み合わせとなりました。

　動的治療期間 : 2年8ヵ月

　治療費用：約90万円

　矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット（装置）が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。（通常数日で治ります）
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。