叢生(ガタガタの歯並び)の早期治療症例。

　永久側方歯が萌えそろうまでの交換期を利用して、叢生の改善のためにできる限りスペース不足の軽減・解消治療を行いました。

①Expansion plate（患者さんがご自身で取り外しのできる装置）を使用し上顎歯列の側方拡大を行うことで上顎前歯部のスペース不足の解消を行いました。
②Active plate(着脱式のプレートタイプの装置)にて上顎側切歯歯部の前方移動による反対咬合の改善を行いました。
②永久側方歯部のスペース不足に対しては、ヘッドギア(ヘッドギアは在宅時間のみ使用していただく、患者さん自身で付け外しのできる顎外装置です。)による上顎第一大臼歯の後方移動を行い、上顎永久側方歯部の前後的なスペース増大ならびに上顎骨の成長コントロールを行いました。
③永久歯萌出後はマルチブラケット装置による個々の永久歯の3次元的な移動を行いました。

　治療の途中で、早期治療による永久歯のためのスペース不足の軽減治療の効果等を診断データに基づいて再診断を行い、（トュースサイズレイショのアンバランスのため）下顎右側側方歯1本の変則便宜抜歯を行いマルチブラケット装置を用いて治療を行いました。
　その結果、上下顎歯列はキレイに整い、すべてのエリアで正常で機能的な咬み合わせを得ることができました。

　動的治療期間 : 5年6ヵ月

　治療費用：約100万円

　矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット（装置）が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。（通常数日で治ります）
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。