MFTを行い非抜歯にて矯正治療を行なった開咬症例。

　診断の結果、マルチブラケット装置を装着し、小臼歯非抜歯にて矯正治療を行いました。Up & Down elastic (患者さん自身で取り外しのできる輪ゴム)を用いて、上下前歯の延長を行い、上下顎歯列の咬合平面の変化により開咬の改善を行いました。
　Before ⅣとAfter Ⅳの写真は、エラスティックス（取り外しのできるゴム）のイメージです。
　また、開咬の原因の1つである舌突出癖の改善のためにMFT(筋機能療法)を行いました。MFT(筋機能療法)とエラスティックス（取り外しのできるゴム）装着に対する患者さんの良好な協力（エラスティックス装着時間は食事、歯磨き以外の時間で1日18時間以上の装着が望ましい）により開咬の改善が順調に進みました。　
　治療結果として、上下顎歯列はともにキレイな歯並びとなりました。前歯部の開咬は改善されて上下顎前歯部は適切な咬み合わせとなり咀嚼障害・発音障害はともに解消されました。動的治療終了後も舌突出癖が再発しないよう患者さん自身で意識を続けていただくことが大切です。

　動的治療期間 : 1年11ヵ月

　治療費用：約90万円

　矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット（装置）が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。（通常数日で治ります）
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。