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第2大臼歯のみが咬合している重度の開咬症例

  • 14~19歳
  • 開咬
  • 隙っ歯
  • 表からの矯正

 15歳男性の患者さんです。学校の歯科検診で開咬(部分的に上下の歯の接触が妨げられている状態)を指摘され、一般歯科からのご紹介で来院されました。上下顎歯列に隙間を認め、広範囲で重症性の高い開咬(部分的に上下の歯の接触が妨げられている状態)となっています。マルチブラケット装置を用いて小臼歯非抜歯にて治療を行いました。

矯正前

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Before Ⅰ
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Before Ⅱ
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Before Ⅲ
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Before Ⅳ

 上下顎歯列に隙間を認め、第2大臼歯のみが咬合している重度の開咬(部分的に上下の歯の接触が妨げられている状態)となっています。著しい咀嚼障害(前歯で食べ物を咬み切ることが全くできない状態)と発音障害が認められました。嚥下時や安静時、発音時に上下の前歯部の間に舌を突出させる癖(舌突出癖)がありました。

矯正後

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After Ⅰ
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After Ⅱ
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After Ⅲ
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After Ⅳ

 舌小帯の異常により舌をスポット(舌を置いておく正しいポジション)に置いておくことが困難なため口腔外科にて舌小帯形成術をしていただきました。開咬の原因の1つである舌突出癖の改善のためにMFT(筋機能療法)を行いました。
 診断の結果、マルチブラケット装置を装着し、非抜歯で矯正治療を行うこととしました。具体的な手法として、Up & Down elastic (患者さん自身で取り外しのできる輪ゴム:エラスティックス装着時間は食事、歯磨き以外の時間で1日18時間以上の装着が望ましい)を用いて上下前歯の垂直的な移動を行いました。
また下顎の大臼歯部にミニスクリュー(矯正用インプラントアンカー)を埋入し、これを絶対的固定源として利用して下顎前歯全体の後方移動を行い、咬合平面の変化により開咬の治療を行いました。

 治療結果として、上下顎歯列の隙間はなくなりキレイな歯並びとなりました。広範囲の開咬は改善されて全てのエリアにおいて正常で機能的な咬み合わせとなりました。咀嚼障害・発音障害はともに解消されました。動的治療終了後も舌突出癖が再発しないよう患者さん自身で意識を続けていただくことが大切です。

 Before ⅣとAfter Ⅳの写真は、エラスティックス(取り外しのできるゴム)のイメージです。

 動的治療期間 : 2年1ヵ月

 治療費用:約100万円

 矯正治療には一般的に以下のようなリスクと副作用があります。

・患者さんによる適切なブラッシングが行われなかった場合に虫歯ができることがあります。
・ブラケット(装置)が粘膜を過度に刺激した場合、口内炎が起こることがあります。
・歯の初期移動の際に痛みを感じる場合があります。(通常数日で治ります)
・長期間の歯の移動により極めて希に歯根吸収が起こることがあります。
・矯正用の取り外し式ゴムを指示通り使用しなかったり、口腔の悪習癖が改善されない場合、計画している歯の動きが得られないことがあります。
・歯の裏側にブラケットを装着して治療を行う場合、装着後一定期間発音障害が起こることがあります。

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